どうしても論文を書き上げなければいけないのに,どうしてもやる気が出ない時がよくあると思う.そんなときせめてベッドでゴロゴロしながら論文が書けるといいのではないかと思い,Android上で論文を書く環境(latex)を整えてみた.
さすがにゼロからAndroidで書き始めることはそうそうないと思うので,ここではPCで作ったlatexテンプレートをgitでAndroid上でクローンして執筆するスタイルにした.
使用アプリ
・MGit (git管理)
・spck Editor (latex編集)
・termux (pdflatex)
まず,MGitでテンプレートリポジトリをAndroid上にクローンする.このとき保存先をDownloadディレクトリに変えておくと後々termuxでpdflatexを走らせるときに扱いやすい.今回はPDF生成までやるのでMGitを使うが,執筆だけならspck Editor上でクローンした方が取り扱いやすい(注:spck上のリポジトリは他のアプリから参照できない).
仮でIEEEの論文テンプレートをgithubに置いたのでこれをクローンする.texファイルをspck Editorで開いて普通に編集を行う.スマホ上で普通にタイピングするのは苦痛だったのでGboardの英文設定で使えるグラインド入力を使ってみたところ,多少慣れは必要だがある程度快適に英文入力ができた.
https://github.com/tenteroring/latex_on_android
執筆が終わったら保存する.通常はMGitで変更をプッシュすればよいが,ここではせっかくなのでpdf生成までAndroid上で完結させるためにtermuxを使った.
termuxを開いた後,以下のコマンドで1) Androidストレージを~/storageにマウントし, 2) latexをインストールする.(結構時間がかかる)
pkg upgrade
termux-setup-storage
apt install texlive-full
その後,通常のlinux上と同様に以下のコマンドのようにしてPDFの生成を行う.
cd ~/storage/downloads/latex_on_android
latexmk -pdf main.tex
コンパイルが正常に終了すれば,latex_on_androidに以下のようなmain.pdfが生成されているはず.
今回,無理くりAndroid上で論文を書く環境を整えてみた結果,想像以上にきれいにPDF生成が出来たので驚いた.特にpdflatexは全くPC上と動作が変わらず,もう少し複雑に図を含んでいてその他パッケージも使っている自分の過去の論文をいくつか試してみたが,いずれも完璧にコンパイルが出来たので,普段pdflatexを使っている人はほぼ変更なしでAndroid上でコンパイルできると思う.
執筆に関してはグラインド入力に慣れればPC上での1/4くらいのスピードで文章は書けそうな印象だった.割とグラインド入力自体が楽しいので入力は苦ではないが,さすがに速度が出ないため2パラグラフくらい書くと満足してしまって作業が続かないという問題はあったので,効率的な入力方法があればもう少し実用的になるかなとは思う(外部キーボード?).
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